WordPressでYoast SEO、All in One SEO、Rank Mathなどの総合SEOプラグインを複数同時に有効化することは、原則として避けるべきです。SEOタイトル、meta description、canonical、robots、XMLサイトマップ、構造化データなど、同じ検索エンジン向け情報を複数の機能が出力するおそれがあるためです。
ただし、プラグインがインストールされているだけで無効化済みの場合や、移行時に旧データを確認するため一時的に残している場合まで問題とは限りません。重要なのは、公開ページに何が出力されているかを確認し、機能ごとの出力元を一つに決めることです。
すでに複数のSEO関連プラグインを利用しているなら、いきなり削除しないでください。設定とページソースを確認し、残すプラグインを決めてから、バックアップと検証を経て旧プラグインを無効化するのが安全です。
SEOプラグインは総合型を1つに絞る
Yoast SEO、Rank Math、All in One SEOのような総合型SEOプラグインは、検索結果での表示やクロールに関わる設定を幅広く扱います。複数を有効にすると、同じページに異なるcanonicalやrobots設定、同種の構造化データなどが出力され、意図しない状態になった際の原因も追いにくくなります。
必要な機能が見つからない場合も、別の総合SEOプラグインを追加する前に、現在使っているプラグインの機能、テーマの設定、専用プラグインで補える範囲を確認しましょう。設定の管理者とHTMLの出力元を一致させることが、競合を防ぐ基本です。
Googleは、リダイレクト、rel="canonical"、サイトマップなどを正規URLを伝えるシグナルとして案内しています。これらの指定が同じURLを指すよう管理するほうが、正規化の意図を伝えやすくなります。
出典:Google Search Central「How to specify a canonical URL with rel="canonical" and other methods」
特に重複を避けたい設定
管理画面では別の機能名でも、最終的に同じHTMLタグやXMLファイルを作るなら役割は重複しています。まずは次の項目を確認してください。
| 項目 | 重複時に起こり得ること | 基本方針 |
|---|---|---|
| SEOタイトル・meta description | 意図しない文言が表示され、更新元が不明になる | 投稿メタ情報の管理元を1つにする |
| robots・noindex | 公開したいページが検索対象から外れるおそれがある | 投稿タイプ・タクソノミーごとの設定元を統一する |
| canonical | 正規URLの指定が食い違い、調査が難しくなる | テーマも含め、出力元を1つにする |
| XMLサイトマップ | 掲載URLや除外方針が異なるサイトマップが混在する | 送信・管理するサイトマップを決める |
| 構造化データ・パンくず | ArticleやBreadcrumbListなどが二重になる | 同じ種類のデータを複数から出さない |
| OGPなどSNSメタタグ | 画像・説明文の優先元が分からなくなる | テーマかSEOプラグインのどちらかに寄せる |
構造化データは、ページ上で実際に説明されている内容を検索エンジンに伝えるためのマークアップです。表示内容と合わないデータや、保守できない重複データは出力しないようにします。
出典:Google Search Central「Intro to How Structured Data Markup Works」
複数あっても直ちに競合しないケース
片方が無効化されているなら、通常はそのプラグイン自体が公開ページへ新たなタグを出力しません。また、総合SEOプラグインを1つだけ有効にしたうえで、FAQやレシピなど限定した種類の構造化データを専用プラグインで補う構成もあります。
ただし、専用プラグインでもテーマや総合SEOプラグインと同じschema、パンくず、OGPを出す場合があります。プラグイン名ではなく出力内容で競合を判断してください。旧プラグインのデータ削除は、移行先に投稿ごとのタイトル、説明文、noindex設定などが引き継がれたことを確認してから行います。
競合は「設定」と「公開ページ」の両方で確認する
競合の有無は管理画面だけでは判断できません。WordPressで有効な機能を洗い出し、実際のHTMLを確認し、Search ConsoleでGoogleが認識している状態を見る順番が確実です。設定を変更する前に、現状の出力を記録しておくと、切り替え後の比較にも使えます。
プラグイン・テーマの担当表を作る
「プラグイン」一覧で、SEO、schema、パンくず、サイトマップ、SNS設定、リダイレクトに関係するものを確認します。さらにテーマのカスタマイザーや独自設定、コードスニペット、キャッシュ・最適化プラグインも対象です。
たとえば「canonical=利用中SEOプラグイン」「XMLサイトマップ=利用中SEOプラグイン」「FAQ schema=専用プラグイン」「OGP=テーマ」のように、機能別の担当表を作ります。同じ項目に複数の有効な出力元がある箇所が、優先して見直す候補です。
WordPress公式も、問題の原因を調べる方法として、プラグインを一つずつ停止して確認する手順を案内しています。本番環境で試す場合は、復元手段を用意し、アクセスの少ない時間帯に行うなど影響を抑えてください。
出典:WordPress.org「Manage Plugins」
ページソースで重複出力を調べる
代表的な投稿、固定ページ、カテゴリーページをブラウザで開き、「ページのソースを表示」を使います。description、robots、canonical、application/ld+json、og:を検索すると確認しやすくなります。
meta name="description"やlink rel="canonical"が複数ないか- canonical URLが想定した正規URLを指しているか
meta name="robots"に意図しないnoindexがないか- JSON-LD内でArticle、BreadcrumbList、Organizationなどが同種で重複していないか
- OGPのtitle、description、imageが重複していないか
サイトマップも、SEOプラグインが示すURLだけでなく、WordPress本体やテーマが公開しているものを含めて確認します。サイトマップ内に検索結果へ表示したい正規URLが入り、noindexにしたページなどを誤って含めていないかを見直してください。Googleもサイトマップには正規URLを含めるよう案内しています。
出典:Google Search Central「Build and submit a sitemap」
ソースコードだけでは出力元を断定できないことがあります。テーマ、子テーマ、コードスニペット、キャッシュ済みHTMLが原因の場合もあるため、停止テストは可能ならステージング環境で行います。
Search Consoleで正規URLとエラーを確認する
Search ConsoleのURL検査では、「ユーザーが指定した正規URL」と「Google が選択した正規URL」を確認します。両者が異なるからといってSEOプラグイン競合が原因とは限りませんが、canonical、リダイレクト、内部リンク、サイトマップの方針を再点検する材料になります。
ライブテストは現在取得できるページを確認する機能であり、Googleが最終的に採用するcanonicalを保証するものではありません。インデックス済み情報と区別して確認しましょう。サイトマップレポートの読み込みエラーや、該当する場合はリッチリザルト関連レポートも確認対象です。
出典:Google Search Console ヘルプ「URL 検査ツール」
安全に1つへ集約する停止・移行手順
移行対象はSEOタイトルやmeta descriptionだけではありません。noindex、canonical、リダイレクト、schema、SNS画像、投稿タイプごとの設定も確認が必要です。インポートが完了しても移行完了とは限りません。
残すプラグインと引き継ぐ項目を決める
今後管理する総合SEOプラグインを1つ決め、旧プラグインのエクスポートと新プラグインのインポートで何を扱えるかを公式ドキュメントで確認します。プラグインごとに対象範囲は異なるため、取り込み機能だけを根拠に全設定が移ったと判断してはいけません。
Rank Math、Yoast SEO、All in One SEOはいずれも、他SEOプラグインの設定やメタデータを取り込むための機能・手順を案内しています。利用する組み合わせに対応しているか、現在のバージョンの公式手順を確認してから実行してください。
出典:Rank Math「Rank Math Plugin Requirements for WordPress Websites」
出典:Yoast「Yoast SEO Tools: Import and export」
出典:All in One SEO「Importing and Exporting AIOSEO Settings and Meta Data」
バックアップ後、ステージングで切り替える
変更前に、WordPressファイルとデータベースを復元できる形でバックアップします。WordPressのエクスポートファイルだけでは、プラグイン設定、メディア、テーマ設定まで戻せないことがあります。サーバーの自動バックアップを使う場合も、復元範囲と手順を先に確認してください。
ステージング環境では、新プラグインの設定確認、データ取り込み、旧プラグインの停止の順に試します。主要な投稿・固定ページ・カテゴリーページで、title、description、canonical、noindex、パンくず、schema、サイトマップを確認してから本番へ反映します。
旧プラグインは無効化してから公開ページを再確認する
本番では、新しい設定と移行データを確認した後、旧プラグインを削除せず先に無効化します。必要に応じてプラグイン、サーバー、CDN、ブラウザのキャッシュを削除し、公開ページのソースを再確認します。キャッシュが残っていると、停止前のタグを見て誤った判断をすることがあります。
問題が出た場合は、旧プラグインを再有効化するかバックアップから復元し、一度に複数の設定を変えずに切り分けます。管理画面へ入れない障害では、FTPやサーバーのファイルマネージャーからプラグインを停止する対応が必要になる場合があります。
出典:WordPress.org「FAQ Troubleshooting」
専用プラグインを併用する場合の判断基準
画像最適化、アクセス解析連携、リンク切れ確認、限定的な構造化データなどは、総合SEOプラグインを追加せず専用プラグインで補える場合があります。ただし、導入目的ではなく、実際にページへ何を出力するかで判断する必要があります。
canonical、XMLサイトマップ、ページの主要な構造化データは、テーマ、SEOプラグイン、専用プラグインのうち同じ種類の出力元を必ず1つにするのが基本です。追加前には「既存機能では実現できないか」「既存側を無効化して担当を明確にできるか」「更新後も検証できるか」の3点を確認しましょう。
テーマ変更やプラグイン更新、新機能の有効化で出力が変わることもあります。変更後はトップページ、代表的な投稿、固定ページ、カテゴリーページを確認し、Search ConsoleのURL検査やサイトマップの状態も継続して見直すことが大切です。
よくある質問
複数のSEOプラグインを扱う際に、判断しやすいポイントを補足します。
無効化したSEOプラグインはすぐ削除してよいですか
移行先で必要な個別設定が引き継がれ、公開ページにも問題がないと確認できるまでは削除を急がないほうが安全です。無効化した状態で検証し、バックアップも確保したうえで削除を判断してください。
テーマのSEO機能も止める必要がありますか
テーマがcanonical、OGP、パンくず、構造化データなどを出力し、SEOプラグインと重なるなら、どちらか片方を停止または設定変更します。テーマ名だけでは判断せず、設定画面とページソースで確認することが必要です。